ケアの提供体制である「ユニットケア」と「従来型」の違いは、有料老人ホームの職場環境を大きく左右するポイントに挙げられる。
近年の施設で主流となっているユニットケアは、10名程度の少人数を一つの生活単位とし、固定のスタッフを配置して専任でサポートを行う方式だ。
この体制の最大のメリットは、入居者とスタッフが家族のような深い信頼関係を築きやすい点にある。毎日同じ顔ぶれのスタッフが対応することで、入居者は精神的な安心感を得やすく、スタッフ側も「昨日と比べて少し食欲がない」「歩き方がいつもと違う」といった微細な体調の変化にいち早く気づくことが可能になる。
一方で、従来型は広いフロアで多くの入居者を複数のスタッフで協力しながら見守る方式だ。こちらはスタッフ同士のコミュニケーションが活発になりやすく、重度の介助が必要な場面でも、すぐに周囲の仲間に助けを求められるという物理的・精神的な心強さがある。
どちらの体制が優れているかは一概には言えず、働く側の個性や価値観によって相性は分かれる。じっくりと腰を据えて個別の深いケアを追求したいのであればユニット制、賑やかな雰囲気の中で多くの仲間と連携しながらテキパキと業務をこなしたいのであれば従来型という視点を持つと、自分にとってストレスの少ない職場環境が見えてくる。
面接の際や見学時には、実際のフロアを歩いてみて、スタッフの動きや入居者の表情が自分にとってしっくりくるかどうかを肌で感じることが大切だ。